Amazonプライム映画感想

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BTTF Part3(1990米国)★★★★☆

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 バック・トゥ・ザ・フューチャー三部作の完結編は、なぜか西部劇。

 前作に比べてSF要素は乏しいものの、いつも裏方だったドクのロマンスが描かれていたり、全編いたるところにセルフパロディが織り込まれていたりと、シリーズ好きなファンは満足できる映画。

 マーティの決闘シーンは面白く、「四次元的に考えろ」というドクの決め台詞は印象的で、娯楽映画としては楽しめる作品。

 ただ、インディアン(字幕はネイティブ・アメリカン)と連呼したり、蒸気機関車をハイジャックする展開は賛否両論だろう。

  なろう小説だと、過去へのタイムトラベルは、現在の技術で無双するパターンが多いのだが、このシリーズではドクの科学的良心のせいで、タイムトラベルには持ち込みが厳禁。おかげで1885年のマーティはたちまち窮地に追いやられる。それを救ったのが、現地で鍛冶屋を自称しているドク。このドクの登場シーンは、シリーズのファンにはたまらない演出である。

 そして、今回は「墓碑」によって、運命が記されるという展開も良い。

 印象的だったのは、新たな犬コペルニクスと洞窟探索の場面。コペルニクスかわいい。アインシュタインよりも好き。

 ただ、今作で残念だったのは、デロリアンを140kmを出すためのアイディア。蒸気機関車ハイジャックというのは、主人公特権を振りかざしているようで好きではない。未来を変えるのを恐れているドクらしくない。もっと、何か方法があったはずなのだが。

 結局、デロリアンは大破、そして、「君たちの未来は白紙なんだよ」というドクのメッセージで終わる。

 できれば、マーティとドクという世代を超えた友情について、出会いとかきっかけとか、そういう示唆するものが欲しかった。映画以外の媒体でそれらは語られているらしいが、大半のファンは映画三部作でしか、このBTTFシリーズを知ろうとしないだろう。映画内で、この奇妙な友情について、その始まりからきちんと描いてほしかったものだ。

 Part2、Part3は、正直いって新鮮味はなかったが、Part1の世界観を大事にした続編であり、ファンの満足度は高いだろう。三部作では、時代を超えて、マクフライ一族とタネン一族が、同じようなことをしているのも面白い。このようなセルフパロディが、非常に魅力的であった。

 主演のマイケル・J・フォックスは、このPart3撮影の頃からパーキンソン病を発症しており、その克服については、Wikipediaなどで追うことができるが、このBTTFシリーズの続編は作らないのが賢明だろう。

 ファンを満足させる完結編という意味で★は4つ。